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 旧満州で生まれ、終戦後の混乱期に日本人から現地の養父母に預けられて中国残留日本人孤児の認定を求め続けてきた74歳の女性が、「故郷」と思い定める日本へ移り住むことを決めた。日本にもう肉親はおらず、中国には家族や友人に囲まれた穏やかな暮らしがある。それでも、最後は故郷で過ごしたいと、9日に「祖国」へ渡る。

 「自分の国へ帰る喜び、中国を離れがたい思い。色々な気持ちが巡っています」。2日、中国・黒竜江省ハルビン市。郜鳳琴(カオフォンチン)さんは自身のお別れ会で約40人の親類や友人に思いを語った。日本政府から残留孤児としての永住権は認められていないが、8月に熊本県に住む同省出身の認定孤児の男性と結婚。熊本県菊陽町で一緒に暮らすことになり、願い続けた日本での生活が始まる。

 1949年初夏、5歳の時の記憶がある。紙に何かを書き、養父と話す実の母。その足に「離れたくない」としがみついた。

 ハルビンで自転車屋を営む養父母には実の子もいたが、隔てなく接してくれた。「日本人の子め」と言う人がいると、「誰が言った」と怒鳴りつけてくれた。14歳から工場で働き、18歳で農村の男性と結婚。2人の子ができたが、父を戦争で失った夫にはたびたび「日本人は最低だ」とののしられ、離婚した。

 72年の日中国交正常化の後、病床の養父から1枚の古い便箋(びんせん)を渡された。実の母が養父に自分を預けるにあたって二人で交わした手書きの「証明書」。母の名や「育てる力がない」と子を託す理由が書いてある。養父は「お前は日本人だ。お母さんを捜しに行っていいよ」と言った。養父をみとった後、肉親捜しを始めた。

 再婚した夫と過ごすハルビンの…

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