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遠藤乾=国際

△水谷尚子「絶望収容所の著名人たち」(ニューズウィーク日本版10月23日号)

 この号はウイグル特集である。その中で水谷は、現在新疆で進行中のムスリムの精神的抹殺、ひいてはジェノサイドについて論じている。そこではナチスドイツを上回る規模の強制収容所が建設されていながら、周りはまるで無力である。学者、書籍編集者、ジャーナリスト、スポーツ選手など、新疆社会の屋台骨を担ってきた人たち、ひいては彼らの子供たちまでをも含め、無数に捕らえて洗脳・抹殺されているという。重大な告発である。

△枝廣淳子「海洋プラスチック汚染とは何か(下)『使い捨て』は許されない時代へ」(世界12月号)

 枝廣は、先月号に引き続き、地球のいたるところに広がり、海洋と海洋に生きる生物に影響が及んでいるプラスチック汚染について論じている。ここでは、この問題がいかに社会(食・健康)や経済(漁業、海運、観光など)に悪影響を与えているかを具体的にレビューし、そこから海洋プラスチック汚染対策を国際レベル、各国レベルに分けて考察し、日本にひきつけて課題を明らかにしたうえで、資源循環を図る次の手を構想している。

△小泉悠「対露積極外交の裏をかくプーチン」(Voice12月号)

 この小泉の分析で描かれているのは、安倍首相が足しげくプーチン氏との首脳会議に通うなかで、ロシアが北方領土の実効支配を深化させ、首相の目玉政策であればあるほど失敗できないだろうと足元を見、日本の対ロ接近が対中牽制(けんせい)であることの裏返しで対中接近を試みて自らの交渉力・価値を上げている姿である。

木村草太=憲法・社会

△近藤敦「持続可能な多文化共生社会に向けた移民統合政策」(世界12月号)

 外国人の権利に関する専門家が、包括的に移民問題を扱った論文。差別禁止、教育、政治参加のそれぞれの分野ごとに、外国にルーツを持つ人々が、人間として生きるために何が必要かを整理する。また、日本法は、国籍取得や永住許可の法整備が進んでおらず、複数国籍を本格的に認めるべきことや、帰化よりも長い居住要件を課す永住許可制度など、感情論を離れ冷静に合理性を検討すべき問題が山積している指摘も重要である。

△永野仁美「何が行政の障害者雇用水増しを許したのか? 医学モデルと社会モデルの谷間」(POSSE40号)

 公的部門では、民間企業のように納付金の支払いの制裁がないこと、また、実は、雇用が義務付けられた「障害者」の範囲が不明確であることが、雇用水増しにつながったことを指摘する。雇用促進法の分野では、障害者の定義を医療モデルで行うと、例えば、医学的には極めて重大とされる下半身まひの人でも、高度なデスクワークを行うことができる一方、医療的に軽度な発達障害が雇用の場で、極めて深刻な障害となるという事態が起きる。雇用の場では、「障害者」について、医学だけに頼らない適切な定義が必要なことを教えてくれる。

△牧野智和「参加のテクノロジー…

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