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 妊娠、出産をきっかけに心に不調が出やすくなる母親を、自治体の保健師や精神科医、産科医らが連携して支える取り組みが広がりつつある。出産前後はホルモンバランスや生活環境が大きく変化し、「産後うつ」をはじめ心の問題が起きやすいとされる。国も取り組みを後押ししている。

 「赤ちゃんが死んじゃうかもしれない」。第1子を出産して数日後、退院して東京都世田谷区の自宅に帰った女性は急に怖くなり、眠れなかった。子どもに健康的な問題はなく、身の危険もない。強い恐怖に襲われている妻を心配した夫は翌日、区に相談した。区の保健師は精神科の受診をすすめたが、女性は拒んだ。それでも保健師が約2カ月かけて説得した。

 昨年、区内の精神科「クリニックおぐら」を受診、女性は産後にうつ病を発症していたことがわかった。「死にたい」と言う時期もあったが薬物療法などで症状は落ち着いたという。

 女性を診察した精神科医の生田洋子さんは「保健師さんが受診まで頑張ってくれたから、彼女を救うことができた」と話す。実家の支援がなく、子育てへの不安が強かったことなどが発症につながったとみる。

 世田谷区では4年前から、地域の産科医や精神科医、区の担当者らが参加して毎月、心の問題を抱える出産前後の女性のケアを考える検討会を開いている。異なる職種が連携した先進的な取り組みだ。区の担当者は「専門職の強みや役割を理解し、信頼関係を築けている」と話す。

 保健師は自宅訪問や子どもの健診で、産科は妊婦健診などで出産前後の女性と定期的に関わる。治療が必要と思われる女性がいれば精神科医につなぐ。連携に賛同している精神科は20ある。今ではこうした女性がクリニックおぐらだけで1年に約100人訪れる。

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