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 熊本県水俣市は、水俣病患者らの暮らしを支えたり、公害に翻弄(ほんろう)された地域の再生に取り組んだりしてきた4人に、水俣病資料館の「伝え手」を委嘱した。26日、市役所仮庁舎で高岡利治市長から委嘱状が手渡された。

 伝え手となったのは、地域おこしグループ「寄ろ会みなまた」の世話人代表を務めた浮嶌清己さん(72)、水俣病センター相思社理事の遠藤邦夫さん(69)、元水俣病資料館長の坂本直充さん(64)、水俣病を語り継ぐ会理事の吉永利夫さん(67)。

 伝え手は、これまで患者らの生き様や家族の思いを伝えてきた「語り部」の高齢化などを受け、患者支援活動や地域再生に取り組んできた人たちにも経験を伝えてもらう新たな取り組み。4人は水俣病の知識のほか、海外からの研修受け入れや地域再生など、それぞれの視点から来館者らに経験を伝えていくという。

 伝え手となった浮嶌さんは、水俣病の原因企業チッソの工学校出身。同社に勤めた後、家業の花屋を継ぎ、被害者と加害者が「同居」する地域の再生に取り組んできた。この日は「チッソに勤めていた時はチッソを守ろうとしていた」と振り返り、「患者さんの立場に軸足を置いた地域活動を続けてきた体験と、両方の体験を伝えていきたい」と語った。

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(奥正光)