企業からお金をもらって会計監査をする公認会計士は、どこまで真剣に企業と対峙(たいじ)できるのだろうか――。8年前、粉飾決算を指南したとして有罪判決を受けた元公認会計士は、生涯をかけてこの「問い」を発し続けている。
細野祐二さん(64)は2004年春、東京拘置所の独房にいた。当時、大手監査法人のKPMG日本(現・あずさ監査法人)の代表社員だった。担当していたシロアリ駆除会社キャッツの社長らが株価をつり上げたとされる粉飾決算事件に関与したとして、東京地検に逮捕されていた。
かけられた容疑は、キャッツが株を買い戻すための資金の捻出方法を細野さんが指南したことが、粉飾決算の共謀にあたるというもの。独房の壁をぼうぜんと見つめていた細野さんに、拘置所職員が声をかけた。
「大丈夫か」
「はあ」
「何をしたんだ?」
「仕事をしただけです」
「でも、カネをもらったんだろ…
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