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 韓国大法院(最高裁)は29日、戦時中に広島と名古屋の三菱重工業で働かされた韓国人の元徴用工や元女子勤労挺身(ていしん)隊員らが同社に損害賠償を求めた2件の訴訟の判決で、同社に賠償の支払いを命じた。元徴用工の問題については、日本の弁護士有志が今月初めに「問題の根本的解決」を訴える声明を出している。賛同人に加わる弁護士や研究者は徐々に増え、全国で209人(26日現在)に達している。

 声明は、10月30日に韓国大法院が新日鉄住金に戦時中の韓国人元徴用工への損害賠償を命じた判決を巡り、戦後補償裁判などに取り組む弁護士らが呼び掛け、11月5日に発表した。「問題の本質は人権侵害である」として、「謝罪と賠償を含めて被害者及び社会が受け入れることができる行動」を求めている。

 安倍晋三首相は判決に対し、「日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決している。あり得ない判断」と発言した。声明は「政府解釈でも個人の賠償請求権は消滅していない。全ての請求権が消滅したかのような発言は誤導的だ」と批判している。

 「人権問題で、被害者が受け入れられない国家間合意は真の解決にならない」とも指摘。中国人強制連行問題ではゼネコンの鹿島や西松建設などが事実を認めて、基金の設立や解決金、謝罪金を支払った例を挙げ、「政府は企業の自発的な解決の取り組みを抑えず、自らの責任も自覚して支援すべきだ」と結んだ。

 声明を呼び掛けた川上詩朗弁護士(東京弁護士会)は「日本社会は事実を正確に知り、解決の道筋を冷静に考えてほしい」と話す。(黄澈)