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 名古屋市が、リニア中央新幹線の建設工事で出る土砂を大江川(港区)の埋め立てに使う検討を進めていることがわかった。大江川では災害時に川底の有害物質が流出する恐れがあり、対策が求められていた。市は近く、リニア中央新幹線を建設するJR東海と協議を始める方針だ。

 28日の市議会本会議で、横井利明氏(自民)が「リニア建設の残土を大江川の埋め立てに活用できないか」と質問し、光安達也・住宅都市局長が「事業費削減に寄与すると考えられる」と、JR東海と協議することを明らかにした。時期や土の質、量などの条件面を詰め、来年度から埋め立て工事の設計を始めたいという。

 市によると、大江川では1970年代に工場排水に含まれる水銀や鉛などが堆積(たいせき)していることが判明。堆積物は22万立方メートルに上り、南海トラフ地震の津波で有害物質が拡散する危険があるという。市と名古屋港管理組合は80年以降、上流部を埋め立て、下流部の川底をアスファルトで覆った。下流部も埋め立てる計画だったが、多額の費用がかかるため見送られてきた。

 河村たかし市長は記者団に「残土を山に捨てるのはもったいない。せっかくの財産なんで、陸地を増やすのに使った方がいい」と話した。(関謙次)