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 学術書を出版する勁草書房(東京都文京区)は28日、4月に刊行した本に「重大な無断転載」があったとして謝罪し、本を絶版・回収にすると発表した。

 同社によると、問題となった本は、メディア学者・ジャーナリストの渡辺真由子氏の「『創作子どもポルノ』と子どもの人権」。「児童ポルノ」の問題をめぐって、マンガ、アニメ、ゲームなどで実在しない子どもを性的に描く表現に対する規制を考える内容という。別の著者の論文から許可なく引き写したとみられる表現が、本のほぼ1章分に相当する範囲で見つかった。質的・量的に本文が「主」であり、引用部分が「従」であるべき関係が逆転しており、引用とは言えず、「無断転載」にあたると判断したという。

 同社はインターネット上に複数の指摘があることを把握。著者と相談して絶版・回収を決めた。返品と返金に応じ、改訂版を出す予定はないという。

 渡辺氏は自身のブログで、「出版社側との編集過程における齟齬(そご)」が生じたとして謝罪する一方で、無断転載の意図はなかったと説明している。