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 これまであまり意識されてこなかった「遺体ケア」に取り組む葬儀社や病院が和歌山県内にある。故人の体の状態を整えて感染や腐敗を防ぐことで、遺族が安心して寄り添える別れの時間を作っている。

 和歌山市の葬儀社「慶集社」が一昨年に開設した「和歌山遺体管理センター」(同市広瀬通丁2丁目)。同社の平野泰寛さん(45)は同センターを拠点に「美粧衛生師」として活動する。故人の口腔(こうくう)・鼻腔などへの詰め物や注射痕の手当てといった感染予防、腐敗を抑える冷却管理を施し、表情を整えて化粧をする。平野さんはこうした「美粧衛生」と呼ばれる技術によって遺体ケアをし、病院・福祉施設と葬儀社をつないでいる。

 「病院でしてくれているはず」「葬儀社でしてくれるだろう」。病院と葬儀社の間にはそんな「溝」があり、遺体ケアはなかなか浸透してこなかったと平野さんは指摘する。「病院は医療や生体のプロで、葬儀社は儀式のプロ。ご遺体への専門的な知識は持っていなかった」。依頼があれば病院や福祉施設、自宅にも出向く。「遺体ケアは遺族ケアでもある。ご遺族が安心して故人様に寄り添い、お別れできる時間を作りたい」と話す。

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