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 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者にパーキンソン病の既存薬を使い、効果と安全性を確認する治験を今月から始めたと、慶応大学病院が発表した。iPS細胞を使って病気の状態を再現し、治療薬の候補を探した。「iPS創薬」による治験は国内3例目という。

 ALSは進行性の難病。運動をつかさどる神経が障害を受けて、呼吸や手足などの筋肉が徐々に動かなくなっていく。患者は国内に9千人ほどいる。進行を遅らせる薬はあるが、根治させる治療法はない。

 慶応大の岡野栄之教授(生理学)らのチームは、ALSの患者から採取した細胞から作ったiPS細胞で、病気の状態を再現。1232種の化合物から、パーキンソン病の既存薬のロピニロール塩酸塩で効果があると発見した。神経の細胞が死ぬのを抑制するなどの効果が確認されたといい、ALSの既存薬よりも優位性があると説明している。

 計20人で治験し、1年ほどかけて安全性や有効性を確認する。(戸田政考)