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 応仁の乱勃発の地として知られる御霊(ごりょう)神社(京都市上京区)の絵馬所が、建立から約250年ぶりに修復され、新たに3枚の絵馬が奉納される。うち1枚は、地元在住の自閉症の画家が描いた現代アート。同神社の宮司が「新しい息吹を取り入れたい」と白羽の矢を立てた。

 描いたのは衣笠泰介さん(29)。2歳半で自閉症と診断されたが、言葉代わりに絵を描き続け、18歳から画家として国内外で個展を開いている。7年前、知人の紹介から初めて衣笠さんの絵を知った小栗栖(おぐるす)元徳(もとのり)宮司(74)は「明るい、楽しい、ド迫力」の絵をひと目で気に入り、交流が始まった。神社に関係した絵を依頼したところ、衣笠さんは「洛中洛外図」に描かれている「御霊祭」をテーマに選んだ。100号の大きなキャンバスにアクリル絵の具で、鴨川を背景に氏子町を練り歩く行列の様子が生き生きと描かれている。

 「当時の一流芸術家が絵馬を神に奉納していた絵馬所は、現代でいうアートスペースのようなもの。未来の人たちが、絵馬をどのように受け止めていくか楽しみだ」と小栗栖さんは思いをはせる。

 衣笠さんの絵馬は、氏子総代で日本画家の由里本(ゆりもと)出(いずる)さん(79)と、氏子で書家の吉川蕉仙(しょうせん)さん(80)の絵馬と共に奉納され、12月5日の竣工(しゅんこう)式でお披露目される。(佐藤慈子)