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 日産自動車、仏ルノー、三菱自動車の3社連合の関係をめぐって、安倍晋三首相とマクロン仏大統領の首脳会談を、アルゼンチンのブエノスアイレスで30日~12月1日に開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議にあわせて実施する方向で調整していると、29日付の仏経済紙レゼコー(電子版)が伝えた。

 実現すれば、3社の会長を兼ねていたカルロス・ゴーン容疑者(64)が役員報酬を過少記載した疑いで逮捕されて以来、初めて両国首脳が意見交換することになる。

 3社連合をめぐっては、経営の自主性が高まるよう関係を見直したい日産と、現状を維持したいルノーの間で、日仏両政府を巻き込んだつばぜり合いになっている。3社連合の主導権を引き続きルノーに握らせたいルメール経済相が「3社連合の統治の仕組みは変えないことで世耕弘成経済産業相と合意した」と発言したのに対し、世耕氏は「(そうした合意は)全くない」と否定するなど、日仏政府の見解の相違も目立つ。レゼコー紙は両首脳が会談で「事態の沈静化を試みるだろう」と伝えた。

 また、ゴーン前会長の逮捕をめぐっては、仏側には「証拠や情報がフランス政府、あるいはルノーにまったくもたらされていない」(ルメール氏)といった日本側への不信感が募っており、マクロン氏はそうした懸念を安倍首相に直接伝えたい意向とみられる。

 一方、西村康稔官房副長官は30日午前の記者会見で、「現時点で(日仏)首脳会談の実施は何ら決まっていない」と述べた。その上で日産、ルノー、三菱自の3社連合について、「アライアンス(提携)は日仏産業協力の象徴だ。日産のカルロス・ゴーン前会長の不正事案と関係なく、安定的な関係を維持していくことが重要だ」と語った。(パリ=疋田多揚)