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医の手帳・認知症の初期症状(1)

 MCIは、軽度認知障害(mild cognitive impairment)の頭文字を略した用語です。認知症と正常な認知機能との境界的な状態で、認知症の前駆段階として捉えることができます。認知症の初期症状はMCIの段階で出現しますので、MCIは認知症の早期発見に適した時期といえます。

 MCIは、おおむね次のように定義されます。①本人やご家族から認知機能低下の訴えがある②認知機能検査により客観的な認知機能低下が認められる③日常生活は自立している。MCIと認知症の一番大きな違いは、MCIでは日常生活が自立しているのに対し、認知症になると何らかのサポートを要する点です。MCIの段階で記憶力の衰えを自覚することもありますし、周囲の家族が気づくこともあります。

 MCIの約半数の方は、将来認知症に移行します。一方で、MCIから正常な認知機能を取り戻すリバーターと呼ばれる方も一定の割合でいます。MCIの段階で適切な予防に取り組むことで、認知症に移行するリスクを減らすことができます。

 MCIと診断されたら、積極的に認知症予防に取り組みましょう。具体的な認知症の予防策としては、運動習慣をつけることです。例えば週3回程度の有酸素運動がお勧めです。その他には良質な睡眠をとること、知的な活動を行うこと、生活習慣病を適切に管理することなどがあげられます。

 自治体では、認知症の早期発見を目的とした初期集中支援チームを発足させました。初期集中支援チームでは医療・介護の専門職が、MCIの方や軽度認知症の人またはその家族を訪問し、必要な医療の導入・調整や、家族支援などの初期の支援を行います。物忘れが気になり、認知症になるのではという不安をお持ちの方は、かかりつけ医や専門医療機関で相談してみてはいかがでしょうか。

<アピタル:医の手帳>http://www.asahi.com/apital/healthguide/techou/(新潟大学脳研究所生命科学リソース研究センター 池内健教授)