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(2日、バドミントン全日本総合選手権)

 1年前の桃田とは、まるで違う姿だった。

 最終ゲーム。1時間10分を超えても桃田は「西本の動きがよく見えていた」。16―11の場面で、世界ランク9位の西本を右に左に揺さぶり、会場からどよめきの声があがる。強打をとろうと飛び込んだ西本は大の字になり、しばらく動けなかった。「1球1球の質がまるで違った」と西本。5連続得点で試合を締め、両ひざをつき、拳を握りしめた。

 違法賭博問題から復帰後、約7カ月で迎えた昨年の大会。緊張とは無縁だった桃田が、試合前からテレビカメラに追われて顔がこわばった。「ガッツポーズをしたり、声を出したりしていいのか」と悩んだ。簡単なミスを続け、準々決勝敗退。NTT東日本の須賀監督は「試合どころじゃない雰囲気だった」という。

 それが1月に日本代表に復帰、「バドミントンをやっていてもいいのかな」と吹っ切れた。今年は国際大会77試合で70勝。世界選手権も制し、世界ランク1位に上がった。

 連戦の疲労でかかとや腰に痛みはある。それでも「1年間、積み上げてきた自信を持って臨めた」。世界王者の実力を見せ、満員の観客の拍手にお辞儀で応えた。(照屋健)