2008年にノーベル化学賞を受賞し、今年10月に長崎市内で亡くなった下村脩(おさむ)さん(享年90)のお別れの会が2日、同市の長崎大で開かれた。主催した長崎県と佐世保市、同大の関係者ら約650人が参列し、下村さんの在りし日をしのんだ。

 下村さんは、長崎医科大付属薬学専門部(現長崎大薬学部)を卒業。1960年代に米プリンストン大研究員としてクラゲが光る仕組みを解明し、後に病気や生命の仕組みの研究に欠かせない道具になった緑色蛍光たんぱく質を発見した。

 会では、長崎県内で幼少期や青春期を過ごし、研究の拠点を米国に移した下村さんの歩みを写真や映像で振り返り、研究に必要なクラゲは妻や長男らと総出で採集し、85万匹に上ったことを紹介した。原爆の経験から非戦や核兵器廃絶を訴えてきたことにも触れ、参列者の中には原爆製造拠点の米ニューメキシコ州ロスアラモスから訪れた元科学者の姿もあった。

 妻明美さん(82)はあいさつで、「主人は研究がすべてでした。自分が納得できるまで努力し、科学に少しでも役立ったことに満足していたので、良い人生だったのではないかと思います」と話した。(小川直樹)