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 10月に84歳で他界した青森県弘前市出身の直木賞作家、長部日出雄さんの追悼展が弘前市立郷土文学館で開かれている。直筆の原稿や色紙、著作の初版本など約40点の資料を展示。津軽を深く愛した一方で、幅広い分野に関心を寄せた作家の文業をたどる内容になっている。来年1月31日まで。

 「津軽」「歴史小説、ライフワーク、日本のルーツ」などのテーマ別の展示で、長部さんが直木賞受賞作の「津軽じょんから節」と「津軽世去れ節」を浄書した原稿や、自身が監督した映画「夢の祭り」の台本や津軽ロケの写真なども見られる。幼なじみの女性にサイン代わりに「何度も初恋をした町にて」と書いたレースのハンカチは初公開。学生服姿の長部さんが写っている弘前高校卒業アルバムも展示している。

 同館企画研究専門官の櫛引洋一さんは「津軽を原点にしつつ、日本人のルーツや人間を追究し続けたスケールの大きな作家だった。この機会に若い人にもぜひ知ってもらいたい」と話している。(佐藤孝之)