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 「名古屋の台所」として親しまれている柳橋中央市場(名古屋市中村区)で、中核施設が売却されることになった。再開発が期待される一方、市場関係者の中には市場の衰退を不安視する声が出ている。

 「名古屋中央市場水産物協同組合」の臨時総会は、売却対象の中央水産ビルで4日午前に開かれた。

 参加した複数の組合員によると、売却提案に至った経緯を説明した理事は「組合員全員の財産を守るための苦渋の決議案だ」と強調。「三つの施設で最低でも190億円以上の売却額になる」とも説明したという。質疑が特に荒れることもなく投票に移り、投票総数の3分の2以上の賛成で売却案が承認された。総会は40分程度で終わった。

 中央水産ビルに関わる業者の間には憤りも広がる。

 「不安と絶望しかない」

 祖父の代からの鮮魚卸売業者で、20年以上、ビルで商売をしてきた男性は嘆く。組合理事から売却検討を知らされたのは11月。店の移転先が示されず、「売却ありきで話が進んでいると思った」と振り返る。

 市場は名古屋駅の徒歩圏内にあり、近年は観光客や見学の受け入れが増えていた。2027年のリニア中央新幹線開業による観光需要増も期待できるが、「柳橋が終われば、名古屋の食が終わる」とさえ思う。

 名古屋市内ですし店を営む男性(41)は柳橋で日々の仕入れをしている。「うちは地元の魚が売りだった。仕入れのルートが変わると店のコンセプトにも影響する」と話す。

 「柳橋には岐阜や三重からも買い付けが来る。仕入れ先が減ることで、みんなが困るはずだ」

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