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清水裕子さん(60)

 香川大の医学部看護学科で教壇に立つ。がんなど長期の看護が必要な患者とともに、生きる意味を考え、心を癒やすケアに力を入れる。

 昨年からは国際協力機構(JICA)の委託を受け、カンボジアの小学校で「保健室の先生」を育成している。調査で、現地の32校のうち5校にトイレがなく、千人近くが通う校舎に男女共用トイレが二つしかない現状を知った。トイレの設置・修繕のため、今年9月からネット上で費用を募るクラウドファンディングに取り組む。

 長崎県にいた中学生の時、姉が心臓の手術を受けたのを機に看護師を志した。東京の国立がん研究センター中央病院で、がん患者らと接した。

 「最後は何をしてほしい?」。末期がんの若者に尋ねると、「そばにいてほしい」と言われた。息を引き取るまでの数日間、時間が許す限りベッドの脇に座った。病を治す技術だけではなく、「苦しむ人の心をどう救うか」を考えるようになった。

 心理学を学び、ボランティアで不登校の児童へのカウンセリング、ホームレスの医療支援をしてきた。それぞれの立場の人たちと交流しながら、個人にとっての「生の意味」や「尊厳」を考えていく。「機械ではなく、人間にしかできないケアを追求していきたい」

 500万円が目標のクラウドファンディングは15日まで。問い合わせは清水さんの研究室(087・891・2240)へ。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(小木雄太)