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 広島市中区の平和記念公園がある地区に原爆投下前、広がっていた街並みの遺構の保存・展示を目指す広島市は4日、公園内で試掘調査を始めた。

 試掘場所は、平和記念資料館東館の北側にある緑地帯の一角。峠三吉詩碑の近くで、爆心地の南約300メートルに位置する。天神町筋と呼ばれた南北の通りの周辺にあたる。幅50センチ、長さ5メートルのトレンチ(試掘用の溝)を2~3区画に入れ、保存・展示に適した遺構が見つかるかを調査。来年3月に開く有識者懇談会で報告する。

 この日午前、市の関係者ら約10人がくわなどを使って地面を削り取るように慎重に掘り下げていった。平均60~70センチ掘り下げるという。

 天神町を含む「中島地区」と言われた地域は、かつて広島屈指の繁華街だった。木造の家屋や商店などが立ち並び、約1300世帯約4400人が暮らしていたが、原爆で壊滅した。

 遺構の保護の観点から、作業は一般には非公開で進められる。同市の中川治昭・被爆体験継承担当課長は「この場所に多くの人々の日常の営みがあったということがストレートに伝わる展示にしたい」と話した。(宮崎園子