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 官民ファンドの産業革新投資機構(JIC)の高額報酬を経済産業省が認めず対立している問題で、世耕弘成経産相は4日、自らの監督責任を問い、大臣給与を1カ月自主返納すると発表した。また、事務的な手続きに不手際があったとして、事務方トップの嶋田隆事務次官を厳重注意処分にし、嶋田次官も給与を1カ月(30%)自主返納する。

 JIC株の9割超は国が握っており、世耕氏は閣議後の会見で「今後の報酬のあり方は、国の意向をしっかりと反映させたい」と指摘。事態の早期収拾を事務方に指示したと強調した。

 経産省は9月、年間1億円を超える場合もある報酬案を文書でJICに提示したが、これに政権内から異論が噴出。11月に報酬案を白紙撤回した。JICは反発し、9月の報酬案をもとに報酬規定を届け出たが、経産省は3日、認めないことを決めた。

 世耕氏は、9月に経産省が示した報酬案について「具体的な金額を提示するとの報告は受けていなかった」と事務方の独断だったと釈明。報酬案の撤回で「事務的な失態を起こし、相互不信の状況を招いた」と処分理由を説明した。大臣給与の自主返納は「組織全体に責任を持つ監督責任の観点からだ」と述べた。

 ただ、世耕氏も11月の会見で「優秀な人材を確保するための一定の相場観はある」と高額報酬を一定程度容認する考えを示していた経緯がある。この点について「ある程度の報酬を約束しないと世界的な人材は獲得できない」としつつ、「国の資金で運営する(官民ファンドの)報酬は、国民が納得できる相場観がある」と説明。「私の考え方はぶれていない」と話した。適正な報酬の水準は「今後しっかり議論したい」と明言を避けた。

 経産省は、JICに報酬規定の再考を求めるが、JIC経営陣が応じない場合、田中正明社長らの解任なども視野に入れる。田中氏は3日夜、報道陣に「取締役が全員一致して行動する。世耕氏の4日の会見を楽しみにしている」と対決姿勢を崩していない。