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 常に介護を必要とする重度障害者が自宅で仕事をすると、その間は重度訪問介護が受けられない。それが就労の機会を狭めているとして、さいたま市の清水勇人市長が3日、補完するサービスを市独自に提供する考えを明らかにした。

 筋ジストロフィーなどで体を動かすことが著しく困難な重度障害者は、障害者総合支援法に基づき市町村が運営する24時間対応の「重度訪問介護」が利用できる。だが、自宅でパソコンなどを使って仕事をすると、その間は訪問介護が受けられない。制度を所管する厚生労働省が「在宅就労の支援は、恩恵を受ける企業の役割」としているからだ。

 清水市長は、この日の市議会本会議で「重度障害者の日常生活に必要な支援は就労していようがいまいが必要。仕事を通じて生きがいを持つことは社会参加のあるべき姿だ」と述べ、来年度にも市の予算で在宅就労時も訪問介護が途切れないようにする措置を検討していると明らかにした。立憲民主党の小川寿士市議の質問に答えた。

 さいたま市の重度訪問介護の利用者は75人(今年4月時点)。そのうち少なくとも、在宅就労時にやむなく介護なしで働く人が2人、介護がないと命にかかわるため内定した会社で働き始められない人が1人いる。

 市は、企業による就労支援は限界があると考え、重度障害者の社会参加を支援できるとして、内閣府の地方分権改革有識者会議に、在宅就労時も訪問介護の利用を認める規制緩和を提案。同じく在宅就労を希望する重度障害者がいた京都市のほか、宮崎市や川崎市もこの提案に賛同した。

 だが、同会議は11月に「2021年度の障害福祉サービス等報酬改定に向けて結論を得る」との方針を示し、判断を事実上先送りした。

 就職内定しながら働き始められないさいたま市の矢口教介さん(30)は「制度がついてこないことで、数少ない働くチャンスを潰さないで欲しい」と訴えている。

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松浦新