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 寺も積極的に若者にアピールする時代になってきた。その手法はSNS、動画、アプリと様々。仏教離れを食い止めようと、お堅いイメージを脱し、寺や僧に親しみがもてるよう工夫している。

動画

 浄土宗総本山の知恩院(東山区)は10月、秋のライトアップをPRする動画「ロッキン仏道編」を寺のウェブサイトで公開。ギターの音色とともにドラムが映され、ポロシャツにジーンズ姿の僧侶の静永(しずなが)善照(ぜんしょう)さん(33)がインタビューに答える。「休みの日は友だちと食事を楽しんだり、バンドの練習をしたりしています」。ドラムをたたくシーンも登場する。

 ほかにも、僧が河川敷を爽やかに走る「フレッシュ念仏編」や、ダンスミュージックにのせて南無阿弥陀仏を唱える「木魚EDM編」がある。三つの動画は同じサイト(https://www.chion-in.or.jp/special/lightup_aut/別ウインドウで開きます)から見られる。

 企画した僧侶の磯部孝造さん(34)は「若い人にお坊さんの日常を知ってもらい、お堅いイメージを払拭(ふっしょく)したかった」と話す。

 今年はインスタグラムを使った「ナムいフォトコンテスト」も初めて企画。「ナムい」は「南無阿弥陀仏」をもじった造語。秋のライトアップ期間中、参拝客に境内で撮った写真を投稿してもらった。近く入賞者が決まり、1等は宿坊のペア宿泊券がもらえる。

 一連の企画の狙いは若者に来てもらい、法話を聞いて仏教に触れるきっかけをつくることだ。磯部さんは「法話を聞きに来る人の3割から5割くらいが20、30代。若い人が目立つようになった」と話す。

 「ナムい」や、手をつないだ僧5人が笑みを浮かべてジャンプするポスターも話題を呼んだ。今までにない挑戦だったが、「行ってみたくなった」「親しみやすさを感じる」と好意的な反応が多かったという。

SNS

 「鈴虫寺のFacebook担当になった『りんねん』です!」。西京区の鈴虫寺は8月、フェイスブックに愛敬のある小坊主「りんねん」のイラストをつけて投稿した。りんねんは「12さいくらい」と紹介。名前は鈴虫の鳴き声にちなんだ。

 更新は週1回。新たなイラストと文章をアップする。りんねんが和尚から教わった言葉を子どもらしい口調で語る。

 これまでフェイスブックには、高僧が仏教の教えを説いた「法語」を月1回ペースで載せていた。「キャラクターを通じて話したほうが若い人には伝わるはず」と考えて路線を変更。文章は住職の桂紹寿(しょうじゅ)さん(47)が考え、イラストはプロに依頼している。

 8月末に始めてから3カ月で、フォロワーは約7300人から約9100人まで増えた。20~50代の女性を中心に人気だという。桂さんは「入門したての小坊主さんと一緒に学んでもらうことで、仏教の裾野を広げられれば」と話す。

アプリ

 紅葉の名所として知られる左京区大原の三千院は2月、無料のスマートフォン向けアプリを導入した。境内で好きな方向にカメラを向けると、風景のなかに見どころの写真が出てくる。わらべ地蔵など23カ所の写真で、実際に位置する方角に現れる。そこを押すと解説文が表示される仕組みだ。

 境内の7カ所に置かれたマーカーに、スマホをかざすとスタンプも手に入る。すべて集めると、わらべ地蔵をあしらったクリアファイルがもらえる。スタンプを集めるのは20、30代の女性が多いという。

 担当者は「アプリを通じて一つひとつの仏様やお堂に興味をもってほしい」と話す。(川村貴大)