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 多量の麻酔薬を投与した妻が中毒症状を起こしたのに放置し、死亡させたとして、福岡県警は5日、北九州市八幡西区幸神2丁目の医師、中村外士雄(としお)容疑者(69)を保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕し、発表した。認否は明らかにしていない。

 捜査1課によると、中村容疑者は昨年4月1日午前1時半ごろ、同市小倉北区にある当時の自宅マンションの部屋で、妻の直美さん(当時63)に局所麻酔薬のリドカインを注射。まもなく直美さんが中毒症状を起こしたことに気づきながら、医療措置をとらずに放置し、午前3時ごろに急性リドカイン中毒で死亡させた疑いがある。

 中村容疑者は数年前から、直美さんの肩こりを和らげるために通常より多めの麻酔薬を注射していた。事件当日は数カ所に注射した後に異変が起きた。中村容疑者は「異変を感じたが放置して寝てしまった」と供述しているという。

 中村容疑者は午前6時半ごろに遺体を発見。自宅に呼んだ知人を通じて消防や警察に通報した。県警は司法解剖などからリドカイン中毒死と判断し、死亡の詳しい経緯を調べていた。

 中村容疑者は今年8月、診療報酬をだまし取ったなどとして詐欺容疑で県警に逮捕された。福岡地裁小倉支部で公判が続いている。(菅原普)