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 フランスのシャネルは、ワニやヘビなどの革を今後はバッグや靴、服に使わない方針を明らかにした。高品質の革を倫理にかなった方法で入手することがとても困難になってきたためという。人気ブランドが高級な商品の中心となる素材で方針転換したことは、ファッション界に広く影響を与えそうだ。

 他に不使用を決めたのは、トカゲとエイで、家畜ではない動物から採取する「エキゾチックレザー」。シャネルは「ものづくりの根幹はそのままに、次世代のハイエンド製品を生み出す機会につながる」とのコメントを出した。欧米では近年、動物愛護、持続可能性の観点や、原材料の生産業者の労働環境の問題から皮革や毛皮を避けるブランドが増えている。

 バッグなどに使うために殺した哺乳類の革は使わないブランドはあったが、高級素材である爬虫(はちゅう)類の革を使わないと宣言する有名ブランドは珍しい。毛皮では昨秋のグッチに続いて、ヴェルサーチェやマイケル・コースなどが相次いで不使用を表明している。多くの高級ブランドを傘下に置くモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)やケリングといったグループも、倫理基準の高い革業者を利用するように努めるとしている。

 ワニ革では2015年に、フランスの俳優・歌手のジェーン・バーキンが製造過程でのワニの扱いが残酷だとして、自身の名がついたエルメスのバッグ「バーキン」で、「(ワニ革の製品に)私の名を使わないで」とブランド側に訴えたことが話題になった。エルメスはその後、「ワニ革業者に対し、高い倫理基準を課している」とのコメントを出した。(編集委員・高橋牧子)