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 脳梗塞(こうそく)や心筋梗塞、腎不全といった病気のもとになる血管の異常「血管不全」を診断する基準を佐賀大学などが作った。今後、妥当性を調べる。病気を発症する前に診断することで、予防的な治療につなげることが期待できるという。10月に専門誌「Hypertension(ハイパーテンション)」に掲載された。

 佐賀大医学部の野出孝一教授によると、加齢や運動不足などで動脈が硬くなったり、脂肪がたまって血管の壁が厚くなったりすると、病気になる危険性が高くなる。ただ、これまで血管不全を診断するための基準はなかった。

 野出教授らは全国の医療施設の協力で5千人の血管のデータを集め、血管の壁の厚さや硬さなどを見る四つの検査で「通常」「ボーダーライン」「機能障害」を診断する基準値を決めた。今後、追跡調査で、「機能障害」と判定された人が実際に病気になりやすいのかなどを調べる。

 野出教授は「(発病前に対応して予防したり重篤化を防いだりする)先制医療がこれからのテーマで、リスク管理がとても大事になっている」と話した。基準が妥当だと分かれば、検査を広く使ってもらうことで、早いうちから運動を勧めるなどの健康指導や、薬で血管不全を抑えるなどの対応に役立つという。(杉浦奈実)