愛知)元地域おこし協力隊員が開発、肌にやさしいオイル
松永佳伸
チャノキの種を搾った化粧用油「設楽茶油」の開発に成功した人がいる。愛知県設楽町の地域おこし協力隊員だった杉浦篤さん(34)=同県知多市出身=。同町特産の「田峯(だみね)茶」を使い、化学物質過敏症などに悩んだ自らの経験と、基礎生物学研究所=同県岡崎市=などで培った研究者として知識を生かし、肌にやさしいオイルに仕上げた。
杉浦さんは、鳥取大学農学部で植物の遺伝子やたんぱく質などの研究に携わり、大学院修士課程を経て、基礎生物学研究所の研究員になった。6年前に突然、化学物質過敏症が発症。ひどい肌荒れなどに加え、たばこや洗剤などの香りを嗅ぐだけで発作が起こり、歩くこともままならず、研究所を辞めざるを得なくなった。
その後も効果的な治療法もみつからず、都会を離れて空気がきれいな場所で暮らすことにした。知人の紹介で同県豊田市北部の山間地にある空き家を借り、1年半ほど療養すると、症状は徐々に改善していった。
なんとか社会復帰を図ろうと…