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 9月に発生した北海道胆振(いぶり)東部地震で、地震直後に最大768カ所あった避難所が年明けにもすべて閉じられる見通しになった。6日で地震発生から3カ月。仮設住宅が順次完成するなどして避難所生活の解消のめどは立ったが、被災地では、厳しい冬を迎える中、慣れぬ生活が続く。

 「安心感もあるけど、疲れもある。でも、新しい暮らしを受け入れていかないと」。5日、北海道厚真(あつま)町で、被災した自宅の片付けを終え、山岸幸太郎さん(87)は、こう話した。自宅は二次災害の恐れがあるため、避難所での生活を強いられ、今月1日にやっと妻と仮設住宅に入居した。

 同町では5日、日が落ちると零下にまで冷え込んだ。仮設住宅に戻ると、山岸さんは、すぐにストーブをつけて暖をとった。「寒いけどストーブをつければなんとかなる。こうして、家があるだけでありがたい」

 避難所から仮設住宅に最近入居した50代女性は「仮設住宅でプライベートの場所はできるだろうけど、先のことを考えると一安心でもない。まだまだ、もとの家に戻るまでの過程でしかなく、先が長い」と話した。

 地震直後、北海道内では最大で1万3千人が避難所に身を寄せていた。特に被害が大きかったのは、厚真、安平(あびら)、むかわの3町で、北海道はプレハブ型の仮設住宅208戸を建設。11月から入居が始まった。さらに、農家や酪農家ら向けに作業現場近くに設置できるトレーラーハウス型の仮設住宅など25戸も年内に順次、提供する予定だ。

 仮設住宅の完成に伴い、安平町は11月末、町内の最後の避難所を閉鎖。残る2町の避難所の生活者は5日現在、3カ所計55人となっている。厚真町は今月中旬までに町内に残る2カ所を閉じる方針だ。

 むかわ町では、鵡川(むかわ)高校の野球部の寮生ら36人が唯一、避難所での生活を続けている。半壊した寮で暮らしていたが、基礎部分が壊れていることが分かり、11月中旬から小学校の元校舎で寝泊まりしている。国や北海道庁に町が求めていた「仮設寮」が認められ、年明けの3学期から入居が始まる見込みだ。

 こうした仮設住宅とは別に、道などは4日時点で、民間アパートなどを借り上げる「みなし仮設住宅」137世帯分を提供。このほか、一部損壊の自宅や親戚宅に身を寄せている被災者もいるとみられる。

 今回、建設されたプレハブ型の仮設住宅は、天井や壁、床に断熱材を用い、エアコンではなく、強制給排気式(FF式)の暖房機が使える「北海道仕様」。一方で、室内外の温度差が激しい冬場は結露ができやすいため、対策として、トイレに常時稼働させる換気扇を設置したほか、温度湿度計を配り、湿度50%を基準に窓を開けるなどして換気するよう呼びかけている。

 仮設住宅の入居期限は原則2年とされており、道庁や被災自治体では今後、災害公営住宅の戸数や建設地の検討も進める。(伊沢健司、今泉奏)