聞き手・岡恵里
90歳になった今も、歌を詠みつづける歌人の馬場あき子さん。朝日歌壇選者になり、40年になります。いまは和気あいあいの選歌会も、最初は緊張のせいで吐いてしまったそうです。実母との死別、継母との思い出、夫との出会いなど、その半生を歌を折り込みながら語った連載「語る 人生の贈りもの」(全15回)をまとめてお届けします。
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昨年、夫の岩田を亡くしました。一人になって暇だと思うのか、いろいろ頼まれ、あちこち飛び回っています。なんだか毎日忙しいのよ。
今月末、新しい歌集を出すし、来年には全歌集も。でも私は主婦だから、家の仕事もある。落ち着いて時間が取れるのは夜。寝床に入って歌を考えるのが至福のときです。
《今年5月、朝日歌壇の選者歴が40年になった。選歌のために、90歳になった今も月に2回、東京・築地の朝日新聞社まで電車で通う》
電車は座れなくても平気。1時間くらいは講演だって立ってやりますから。ドア口に寄りかかり、能の謡、たとえば「羽衣」を頭の中でそらんじていれば、着いちゃう。
《夫で歌人の岩田正さんは結社「歌林の会」を共に創設した同志でもあった》
年たけて元気なることさびしく…
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