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 国内製薬最大手の武田薬品工業は5日、大阪市で臨時株主総会を開き、アイルランドの製薬大手シャイアーを買収する提案について、議決権ベースで9割近い賛成で可決した。シャイアーも同日夜(日本時間)に開いた臨時株主総会で株主の承認を取り付けた。早ければ年明けにも買収手続きを終え、世界の製薬企業の売上高トップ10に入る「メガファーマ(巨大製薬会社)」が誕生する。

 買収総額は約460億ポンド(約7兆円)。武田は5月にシャイアーを買収することで同社と合意していた。株主総会の承認を得て、創業230年を超す老舗の製薬大手による日本企業で過去最大規模のM&A(企業合併・買収)が実現する。

 シャイアーは血友病など希少疾患の治療薬や血液製剤に強みがある。開発が最終段階にある新薬の候補が10月末時点で16あり、遺伝子治療の分野も得意とする。2017年の売上高は武田と同規模。世界最大の市場である米国での売上高が多く、武田は海外の販路拡大も狙って巨額買収を決断した。買収に必要な資金は、約3兆円の現金と約4兆円の新株発行でまかなう計画だ。武田の有利子負債は、買収前の約10倍の5兆円超に膨らむ。

 武田のクリストフ・ウェバー社長は株主総会の質疑で、「年間4千億円以上を研究開発に投資し、世界のグローバル企業に対抗できるようになる」と買収の意義を強調。買収によるシナジー(相乗効果)を年間14億ドル(約1600億円)と見込んでいると説明した。

 買収提案の可決には、議決権ベースで株主の3分の2以上の賛成が必要だった。創業家出身で、元社長の武田国男氏が買収に反対していることが先月伝わり、他の株主の判断への影響が注目されたが、反対は広がらなかった。OBら一部の株主はリスクが大きいとして反対を表明したが、機関投資家らはウェバー氏の戦略を支持した。

 シャイアーの社外取締役3人を、武田の社外取締役として迎える人事案も提案され、こちらも9割近い株主の賛同を得て承認された。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(箱谷真司、中村光)