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 生き物の遺伝情報を効率よく変えられる「ゲノム編集」を使った食品をめぐり、厚生労働省の調査会は5日、目的の遺伝子を切って機能を失わせる場合は規制の対象外とする方針案をまとめた。自然界でも遺伝子が突然変異で欠落することがあるためだが、問題が起きたときに速やかに対処できるよう開発者に届け出を求める。

 今後、専門家による議論やパブリックコメントなどを経て、年度内に規制の方針を正式に決める。

 ゲノム編集は、遺伝子が載ったDNAを狙った場所で切って壊し、目的の変異を起こさせる。遺伝子を切って壊す場合は、最終的に自然に起きた突然変異と区別できない状態にすることができるため、規制の対象にするかどうか取り扱いが課題となっていた。

 調査会では、一般的な品種改良でも機能喪失があることなどから、規制は不要と判断。ただ、予期せぬ異変など安全性への懸念もあることから、国は改変した遺伝子の内容や健康に対する安全性の情報などの届け出を求め、厚労省のホームページなどで公表する方針とした。

 一方、ゲノム編集で切った部分に外から遺伝子を組み入れる場合は、従来の遺伝子組み換えと同じ扱いにすることを確認。食品衛生法で義務づける安全性審査の対象にする方針だ。

 ゲノム編集は近年、急速に普及し、筋肉量を抑える遺伝子を壊して肉量を多くしたマダイや牛、芽に毒がないジャガイモなどが続々とつくられている。将来的に市場流通も見込まれることから、政府は6月、今年度末までに法令上の取り扱いを決める方針を閣議決定していた。

 環境省では生物多様性を守るカルタヘナ法上の位置づけを検討しており、8月に遺伝子を切断した動植物は規制対象外とする方針案を了承。一方、生物を屋外で栽培、飼育する際、改変した遺伝子や在来種への影響といった情報を事前に提供してもらう方針を示している。

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/黒田壮吉