[PR]

 1990年代、人手不足に悩んだ日本は日系人などの南米出身の労働者を受け入れた。そして2008年のリーマン・ショックで、その多くが職を失った。それから10年。不安定な働き方は改善したのか。

 「なぜ多くの外国人労働者を使い捨てにするのか」「約束した時給を支払ってほしい」

 9月中旬の早朝。三重県亀山市のシャープ亀山工場前に、約20人の労働者が集まって口々に訴えた。ほとんどがブラジル出身の日系人で、人材会社から派遣されて働いていたが雇い止めされた人たちだ。

 液晶テレビで一時代を築いた亀山工場では、アップルのiPhone(アイフォーン)向け部品が作られてきた。その生産を海外に移すのが雇い止めの理由だと聞かされているという。

 日系人労働者を支援する労働組合「ユニオンみえ」(津市)によると、亀山工場で働いていて今年に入って雇い止めなどで退職した日系人労働者は約2900人に上る。約40人が同労組に入り、人材会社と交渉を続けている。

 亀山市の隣にある三重県鈴鹿市にはホンダの工場があり、もともとこの地域には外国人労働者が多い。所管するハローワーク鈴鹿では、雇用保険の手続きで訪れた外国人のために、英語、ポルトガル語、スペイン語で対応する相談コーナーがある。リーマン・ショック後、来所する外国人に対応するためにできた。

 外国人の来所が増えたのは、今年になってから。3月末までに失業手当を求めた人は約250人。一時は減ったが、8月から再び増え、10月までの3カ月は毎月100人のペース。対応に追われ、一人一人に手続きを説明するのは手間なので、30人ぐらいずつまとめて説明会を開いた。

 関係者によると、リーマン・ショック時のような混乱は起きていない。地域では人手不足が続いており、職を失っても同じ製造業で新しい仕事を見つける人が多いという。

 ただ、求人が少ない高齢者には先行きに不安を抱えた人もいる。良永脩(おさむ)さん(69)は両親が日本人で、日本国籍も持つ。ブラジル・サンパウロ市で生まれ育った。日系企業に勤めていたのが縁で、1995年に妻と日本に来た。食品会社やトヨタ自動車関連企業で働き、昨年秋から2人で亀山工場で働いていたが、7月30日に雇い止めされた。

 「仕事を探しているが、この年だからなかなかない」。厚生年金と貯金で暮らしているが、家賃も電気代も高くて生活は厳しいという。

■2カ月契約「巧…

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら