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 「飲酒運転 しない させない 許さない!」。千葉県立松尾高校(同県山武市)の美術部と文芸部の生徒20人が、そんなメッセージを込めた漫画「飲酒運転の代償」を作り、同県警が配布している。生徒たちは「飲酒運転をやめる人が増えてほしい」と願っている。

 漫画は計27ページの2作品。実話を元にした「私たちの願い」は車にはねられ、下半身不随になった娘の将来を案じる母親と、中学生になって車いすバスケと出会う娘を描き、「二度と娘のような被害者が出ないよう心から祈っている」というメッセージでしめくくられる。2本目の「後悔の種」は、歩行者の命を奪ってしまった加害男性が主人公だ。

 中心となって手がけたのは、美術部3年の大西ことねさん(18)と文芸部3年の三堂(みどう)瑠里さん(17)。7月に県警から依頼され、他の部員18人にも手伝ってもらいながら、4カ月がかりで完成させた。

 「現実味あるかな」。2人は悩みながら、県警交通部に何度も話を聞き、被害者の手記を読み込んでストーリーを考案。読者が「自分も加害者にならないように」と思えるよう、事故のシーンでは血の模様を多く使い、遺族が泣き叫ぶシーンでは、吹き出しからセリフをはみ出させた。

 忘年会シーズンさなかの13日には、制作にかかわった約20人の生徒たちが「一日警察官」の制服姿で千葉駅前に立ち、「読んでください」と呼びかけながら通行人に漫画を配った。

 実は一番読んでほしいのは、これから大人になる中高生だ。三堂さんは「初めてお酒を飲む時や運転する時に思い出して」。大西さんは「飲酒した時に漫画を思い出し、周りに代行運転や公共交通機関の利用を勧めてほしい」と話す。

 千葉県内では昨年に178件の飲酒運転事故が起きており、愛知、大阪、神奈川に次いで多い。県警は年内に、計1万部の漫画を県内の全高校や自動車教習所などに配る予定だ。(松山紫乃)