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【まとめて読む】患者を生きる・食べる「人工透析」

 静岡県在住の石塚浩司さん(43)は幼い頃に腎炎になりました。その後、腎臓の働きが低下した腎不全になり、12年以上、人工透析を受けています。「透析患者の暗いイメージを変えたい」という思いから、陸上競技に挑み続けています。

マスターズ大会で好成績、水分・塩分のバランス気をつけて

 奈良市の鴻ノ池(こうのいけ)陸上競技場で10月末にあった「2018国際ゴールドマスターズ奈良大会」。4種目に挑んだ静岡県袋井市の公務員、石塚浩司(いしづかこうじ)さん(43)は、年代別の棒高跳びで1位を獲得するなど好成績を残した。「もう少し、記録を伸ばせるかなと思った」。表情は明るかった。

 石塚さんは腎臓の機能が低下した腎不全で、人工透析を週3回受ける。腎臓の代わりとなる装置で血液から余分な水分や不要な老廃物を取り除く。

 静岡に戻った翌日、仕事を終えた石塚さんは、磐田(いわた)メイツクリニック(静岡県磐田市)に向かった。人工透析でも近年増えつつある「血液濾過(ろか)透析(オンラインHDF)」を受けるためだ。左手につくった透析専用の血液の出入り口「シャント」と装置をつなぎ、血液が浄化されるのを待った。

 

 ベッドでテレビを見たり、スマホをいじったりしながら、午後10時ごろまで5時間。計90リットルの血液を浄化して車で帰宅した。

 「これまで診てきた透析患者で、石塚さんほど高いレベルのアスリートはいません」。クリニックの松田秀一(まつだしゅういち)院長(49)は言う。

 透析患者は普段も体に負担をかけないよう、塩分やたんぱく質、カリウムなどの食事制限がある。

 人工透析を12年以上続けてきた石塚さんが「一番気をつけているのが水分」という。普通の人は汗や尿として体から水分や塩分が出ると、水やスポーツドリンクで補える。石塚さんは腎臓の働きが悪く、ほぼ尿が出ないため、水分や塩分のバランスの調整が難しい。汗をかいて水分補給が必要な競技中は、なおさらだ。

 水分が体にたまりすぎれば、水分が肺にしみ出し、肺水腫を起こす危険がある。石塚さんは以前、肺水腫で呼吸困難に陥った。「苦しくてのたうち回るような思い」だったという。

 小型の体重計を常に持ち歩いたこともあるが、今は意識せずとも「なんとなく水分量がわかるようになった」という。

 普段の生活でも細心の注意を払い、より高みを目指して競技に臨む石塚さん。腎臓の病気と向き合うようになったのは、約30年前にさかのぼる。

中学生で慢性腎炎を発症 クラブも運動も控えた

 静岡県袋井市の公務員、石塚浩司さん(43)の体に異変が起きたのは約30年前。静岡県内の中学校に入り、5月の大型連休が過ぎたころ、微熱が続いた。

 なかなか熱が下がらず、念のため、地元の病院を受診した。検査入院して詳しく調べると、尿にたんぱく質が出ていた。原因は分からないが、腎臓の機能が落ちていたことがわかった。医師から「慢性腎炎」と告げられた。

 腎臓病患者は激しい運動を避けるべきだとされる。筋肉を使うとクレアチニンや尿素などの老廃物が体内に増える。また、安静時には心臓から出る血液の5分の1が腎臓に流れ込むが、運動時は筋肉への血流が増えて腎臓への血流が減るため、腎臓をはじめ、体に負担がかかるからだ。

 運動のクラブ活動も体育の授業…

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