西郷どんの妻、実は「愛加那」ではなく「アリカナ」

野崎智也
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 西郷隆盛の2番目の妻として知られる「愛加那(あいかな)」の戸籍上の名前が「アリカナ」であったことが、歴史研究家の原田良子さんらの調査で分かった。大河ドラマ「西郷どん」の時代考証を務める原口泉・鹿児島県立図書館長は「鹿児島弁ではラ行の発音が難しいので、音便変化で『リ』が『イ』となったのではないか」と分析している。

 京都市に住む原田さんは、2代目の京都市長で西郷隆盛と愛加那の子である西郷菊次郎について研究している。菊次郎の戸籍を調べたところ、母の欄に「アリカナ」と書いてあるのが確認できたという。これまで西郷が愛加那に宛てた手紙には「ありかな」と書かれていたが、理由が分かっていなかった。

 原口館長は「戸籍上は『アリカナ』だが、西郷は『あいかな』と呼んでいたのだろう」と推測。漢字は愛加那の死後につけられたとされ、原口館長は「西郷が呼んでいた名前が残った。それだけ西郷の存在が大きかったということ」と話している。(野崎智也)

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