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 ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に、「来訪神(らいほうしん) 仮面・仮装の神々」の登録が決まった。構成する8県の計10件は、いずれもユニークな伝統行事ばかり。中でも、見た目の怖さが突出しているのが、鹿児島の来訪神だ。

 トカラ列島の悪石(あくせき)島(鹿児島県十島村)の奇祭「ボゼ」をこの夏、訪ねた。鹿児島港から週2~3便のフェリーで10時間余り。切り立った岸壁に囲まれた絶海の孤島は40世帯足らず、人口80人ほど。ここに年に一度、異形の神が出現する。

 8月26日は旧暦のお盆の最終日だった。夕暮れ時、集落ではもの哀(かな)しげな調べの盆踊りが催されていた。午後5時を回ろうとするころ、公民館に集まった群衆の前に、3体のボゼが突然、なんの脈絡もなく乱入してきた。

 らんらんと光る真っ赤な目。カッと開いた大きな口。鼻は不自然に細く長く、頭上に飛び出した飾りは眉だろうか、まぶただろうか。ストライプが縦に入った奇妙な上半身とビロウの葉をまとった下半身。海のかなた、どことなく南方世界の雰囲気さえ漂う異形の神である。

 ボゼマラと呼ばれる杖を持って、激しく島民を追い回す。杖の先についた赤土を塗られると、悪魔払いになるという。浴衣姿の子供たちは叫び声をあげて逃げ惑い、あたりは騒然となる。その間10分ほどだったろうか。闖(ちん)入者は再び異界へと消えていった。

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