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 中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟(モンワンチョウ)・副会長兼最高財務責任者(CFO)が米国の要請を受けたカナダ当局に逮捕された事件で、カナダ検察は7日、容疑内容を初めて明らかにした。米国によるイラン制裁をくぐり抜けようと、米金融機関に虚偽の説明をした詐欺の疑いだとしている。今後、米国に身柄を引き渡すかどうかの審理が進む。

 保釈をめぐる聴聞手続きがバンクーバーの裁判所で開かれ、孟氏も出廷した。カナダ検察の説明として米メディアが伝えたところでは、華為は2009~14年、事実上の支配下にある香港企業「スカイコム」を介し、対イラン制裁で禁じられる取引をイラン企業と行った。孟氏は、決済に関わった複数の米金融機関に対し、華為とスカイコムとは関係がないとウソの説明をした疑いがかけられているという。

 孟氏側が「容疑には根拠がない」などと保釈を要求したのに対し、検察側は逃亡の恐れがあるとして勾留を続けるよう求めた。米メディアによると、米国が求める孟氏の身柄引き渡しには、逮捕から60日以内に具体的な証拠をカナダの裁判所に示す必要がある。米国で有罪になれば最大30年間、収監される可能性があるという。

 華為は8日、孟氏の聴聞について「聴聞を引き続き見守っていく。カナダと米国の法律制度が適切な結論を出すと信頼する」とのコメントを発表した。孟氏は華為創業者の任正非・最高経営責任者(CEO)の娘。8月に米国で逮捕状が出ていた。今月1日、香港からメキシコに向かう途中、バンクーバーで航空機を乗り換えようとしたところを逮捕された。

 米中両国は1日の首脳会談で貿易戦争の「一時休戦」を演出したばかり。中国を代表する大企業を経営する孟氏の逮捕により、米中摩擦が過熱しかねないとの懸念が強まっている。(ニューヨーク=江渕崇、北京=福田直之)