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 中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟(モンワンチョウ)副会長兼最高財務責任者(CFO)がカナダで逮捕された事件で、米司法当局が身柄拘束に向けて周到に準備を進めていたことが明らかになってきた。中国と通商摩擦を繰り広げる米国に、孟氏の身柄が引き渡されるのかどうかが今後の焦点になる。

 孟氏の保釈をめぐる聴聞手続きが7日、バンクーバーの裁判所で開かれ、カナダ検察が初めて容疑内容を示した。それによれば、華為は2009~14年、実質的に傘下にある香港企業「スカイコム」を通じてイラン側と取引。孟氏は、米国によるイラン制裁を逃れるため、決済に関与した複数の米金融機関に対して華為とスカイコムは無関係だと虚偽説明をした疑いだという。孟氏側は容疑を否定している。

 米ニューヨークの裁判所が8月にはすでに孟氏の逮捕状を出していたことも明らかになった。孟氏は以前、米国をよく訪れていたが、米当局が華為の捜査を始めたと17年春に気づいて以降、華為幹部は米国訪問を避けるようになったという。

 孟氏の逮捕は今月1日。香港からメキシコに向かう途中、バンクーバーで航空機を乗り換えるところをカナダ当局に拘束された。旅程が事前に察知され、カナダの裁判所が11月30日に逮捕状を出していた。

 米司法省は孟氏をニューヨークの裁判所に出廷させるため、カナダに身柄引き渡しを求めている。逮捕から60日以内に米側が提出する証拠をもとに、カナダの裁判所が可否を判断する。米国で有罪になれば最大30年間、収監される可能性があるという。

 中国外務省の楽玉成次官は8日、カナダの駐中国大使を急きょ呼び出し、カナダ当局による孟氏の逮捕に強く抗議した。楽氏は「すぐに釈放しなければ、必ずや深刻な結果を招き、カナダ側はすべての責任を負う必要が出る」と述べた。(ニューヨーク=江渕崇、北京=福田直之)