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 日本のメダカの故郷は、北部九州と、山陰の但馬丹後地方だった――。岡山大の研究者が、最新の遺伝子解析技術を使ってつきとめた。この2カ所を起源とし、複数ルートで各地に広がっていったらしい。身近だけれどあまり分かっていなかったメダカの歴史の解明が一歩進んだという。

 日本、韓国、中国に分布するニホンメダカは①沖縄から岩手の南日本グループ②福井県若狭湾から青森の北日本グループ③東韓国グループ④西韓国/中国グループに大別される。

 岡山大大学院自然科学研究科の勝村啓史(たかふみ)特別研究員(進化生物学)らは、東京大が35年以上前から系統保存している全国各地の野生メダカ81群と、新たに佐賀県で捕獲した2群の染色体ゲノム(遺伝情報)を調べた。メダカのゲノムの中から数千から数万カ所を取り出して比較する「網羅的ゲノム解析」という最新の手法を使った。

 その結果、南日本グループは北部九州が起源で、約51万年前に大きく二手に分かれたことが分かった。一方は沖縄まで南下した。もう一方は、山陽・四国から本州の太平洋側を岩手まで北上し、一部は山陰側から但馬丹後地方に至った。

 また、南日本グループとは別の、元から但馬丹後地方にいたメダカが北日本グループの起源で、日本海側を北上し、青森に至ったらしいことが分かった。

 勝村さんは「日本の田園風景にも欠かせないメダカは、各地の環境に適応しながら日本の隅々に広がっていきました。いま、絶滅危惧種となっていますが、今回の研究結果が野生メダカの復興や理解の一歩になるとうれしい」と話す。

 成果は11月27日、米遺伝学会発行の電子ジャーナル「G3」で公開された。(中村通子)