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 韓国で1冊の小説が爆発的に売れている。「82年生まれ、キム・ジヨン」。様々な差別に苦しみつつ必死に生きる女性、その苦悩が映す社会の姿を描き、100万部を超えるベストセラーになった。女性たちが自分らしく生きられるように「声を上げよう」という著者の趙南柱(チョナムジュ)さん。韓国を訪ね、小説に込めた思いを聞いた。

 ――小説の主人公、キム・ジヨンは33歳の主婦です。3歳年上でIT関連企業に勤める夫と3年前に結婚し、1歳の娘がいます。幼い頃から経験してきた出来事を描き、韓国社会の日常にある女性差別を告発していますね。

 「1982年前後に生まれた女性で一番多い名前が、ジヨンだそうです。子どものころ、ご飯が炊きあがると父、弟、祖母の順に配られ、姉妹は後回し、学校でも給食は男子が先が当たり前。姉は母の勧めで、長期休暇があって子育てがしやすいから、と教職を目指し、教育大学に進みました。ジヨンは人文学部で学びましたが、就職試験は書類選考で次々に落とされました。何とか入った広告会社では大事な仕事は男性に任され、給料も男性優位。子育てのためには、会社を辞めざるをえませんでした。そんなストーリーです」

 ――小説ではジヨンの母の世代の生き方にも触れています。

 「地方の農家に生まれたジヨンの母は、小学校を終えると14歳でソウルに出て、姉が働く紡績工場で仕事に明け暮れました。急速に経済が発展し産業化が進む中、農業は衰退し、子どもたちはソウルで働くしかなかった。過酷な勤務で稼いだお金は兄弟の学費に使われました。娘たちは男兄弟を支えるのが当たり前だったのです」

 ――小説に登場する女性はすべてフルネームで出てきますが、男性はジヨンの夫だけで、父も弟も名前がありません。なぜですか。

 「韓国の女性は、常に周縁の存…

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