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 インド準備銀行(中央銀行)のウルジット・パテル総裁が10日、2019年9月までの任期を前に突然、辞任を表明した。パテル氏は「個人的な理由」としているが、モディ政権から金融政策への介入を受けていたとされ、両者の対立が背景にあるとみられる。インド政府は11日、新総裁に前財務官僚のシャクティカンタ・ダス氏を任命することを決めた。

 インドでは、今年2月に国営銀行で巨額の不正取引が発覚。政府が規制当局である中央銀行を批判したが、中央銀行側は国営銀行に対しては十分な監督権限がないと反論した。

 信用危機が懸念されるノンバンクをめぐっては、貸し渋りで不動産などの資金繰りに影響が出ていると指摘する政府に対し、中央銀行は問題ないとの姿勢をとるなど、対立が深刻化。10月には、副総裁が講演で、中央銀行の独立性が脅かされると警告していた。

 インドの中央銀行は独立性を認められた組織だが、公共の利益が損なわれる場合には政府の介入を認める法律の条項もある。

 パテル氏の前任のラグラム・ラジャン前総裁も、本人の続投の意思に反して任期満了で退任した経緯がある。当時も政権の政策への介入が問題視されていた。モディ政権下では中央銀行総裁が2代続けて、やめることになった。(ニューデリー=奈良部健)