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 自由や平等、他者への敬意に裏打ちされる民主主義というシステム。最近の世界の動きをみると、その先行きに、何か不穏な空気を感じてしまう。そこで、民主主義の危機を論じた著書が評判になったダニエル・ジブラットさんを米ハーバード大学に訪ねた。民主主義を守り、育てるため、何が必要か。新年を機に、改めて考えた。

 ――2018年の著書「民主主義の死に方」(新潮社)が評価を受けています。刺激的な題名ですが、民主主義は、もはや機能しなくなったということですか。

 「ハーバード大の同僚と書いた本ですが、ドイツ語や日本語、ポルトガル語、トルコ語など15カ国語に訳され、世界中で出版されました。昨秋の大統領選で軍事独裁を賛美する極右候補が勝利したブラジルでは、一時的とはいえ、あらゆるジャンルの中でベストセラーになりました。強権的な指導者が世界各地で誕生するなか、民主主義への危機感が高まっているのでしょう」

 「題名から勘違いしてほしくないのですが、民主主義は死んでいないし、死にかけているとも思っていません。この米国でも、トランプ政権の誕生前も今も民主主義は確かに、脈を打っています。トランプ政権の出現は予測できませんでしたが、政治家だけでなく、公務員やジャーナリスト、法律家らが民主主義を守る役割を果たし続けています。ただ、過去200年以上存在しなかったような危機に直面しているのは事実です」

ダニエル・ジブラット
1972年、米国生まれ。2003年からハーバード大で教え、現在は教授。共著「民主主義の死に方」は15カ国語に訳されている。

 ――どんな危機ですか。

 「三つの脅威があります。民主主義的なルールに従おうとしない大統領がホワイトハウスにいることが一つ。政治的な二極化、分裂が深まっていることが二つめ。そして三つめが、経済的な不平等や格差の拡大です。それぞれが民主主義にとっては慢性の病気のように深刻な問題です。放っておくと死に至る可能性があります」

 ――トランプ氏は民主主義的なルールに従おうとしない、と指摘されましたが、彼自身は、大統領選挙という民主主義のシステムによって選ばれていますよね。

 「その通り。そこがまさに、現代の民主主義の大きな問題です」

 ――というと?

 「独裁者はクーデターや暴力的…

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