米タイム誌「今年の人」にカショギ氏ら 故人を初選出

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ニューヨーク=鵜飼啓
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 米タイム誌は11日、年末恒例の「今年の人」に真実を守る戦いの「守護者」として、殺害されたサウジアラビア人記者のジャマル・カショギ氏らジャーナリスト4人と銃撃を受けた米新聞社を選んだ。トランプ米大統領がメディアを「国民の敵」と批判する中、メディアの大切さに焦点を当てる狙いとみられる。

 選ばれたのはカショギ氏のほか、ロイター通信のミャンマー人記者ワローン氏とチョーソーウー氏、フィリピンのネットメディア「ラップラー」最高経営責任者マリア・レッサ氏、メリーランド州アナポリスの新聞社キャピタル・ガゼット。タイム誌は「危険もいとわず、真実を追求した」と選出理由を説明した。

 カショギ氏はサウジのムハンマド皇太子への権力集中を批判的に報じ、トルコのサウジ総領事館で殺害された。皇太子自身が事件に関与した疑いがあり、タイム誌は「殺害事件が皇太子への世界的な再評価につながった」と影響の大きさを指摘した。同誌が死者を「今年の人」に選んだのは初めてという。

 ロイター通信の2人はミャンマー国軍がイスラム教徒ロヒンギャ殺害に関与した事件を追っていたところ逮捕され、国家機密法違反で実刑判決を受けた。ラップラーは強権的な手法をとるフィリピンのドゥテルテ政権を批判的に報じ、レッサ氏が脱税の疑いで捜査を受けた。政権による「報復」と見られている。

 キャピタル・ガゼットは6月、同紙の過去の記事に恨みを持った男の銃撃を受けた。記者ら5人が死亡したが、事件の日も新聞発行を続けた。(ニューヨーク=鵜飼啓

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