【動画】紅白初出場を決め、盛り上がるスーパー銭湯アイドル「純烈」とファンら=川村直子撮影
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 スーパー銭湯の大広間で人気に火がついた異色のムード歌謡グループ「純烈(じゅんれつ)」が大みそかのNHK紅白歌合戦に初出場する。地道に全国を回り、中高年の女性たちから熱烈な支持を得て結成11年で夢をかなえた。

 12月9日、神奈川県座間市の「湯乃泉 相模健康センター」にある200畳ほどの大広間は、赤や緑のペンライトを持った250人ほどの女性たちであふれた。ふだんは湯上がりに食事をしてくつろぐ場所だ。

 「皆さんが純烈を紅白まで連れてきてくれました!」。大歓声の中、平均年齢40歳の男性5人組が約1時間のステージで披露するのは往年の名曲「東京砂漠」や、10万枚売れたオリジナル曲「プロポーズ」。1950~60年代に人気を集めたムード歌謡の要素に、切れの良いダンスを組み合わせたパフォーマンスだ。ステージは高さ50センチ、幅10メートルほどで、手を伸ばせば届きそうな近さ。5人が歌いながら観客一人一人と握手する場面もある。

 常連客で東京都内に住む梅木美穂子さん(76)は5年越しのファン。この日は広間への入場整理券をもらうために2日前から健康センターに泊まりこんだ。同じCDを100枚ほど買って配ったこともある。「声もいいし、なにより彼らは優しいの。この子たちを見ていると若さのパワーをもらえる」。いつも「元気?」と声をかけて体を気遣ってくれるという。

 メンバーは歌いにいくと客と一緒に風呂に入り、館内着の甚平姿でロビーなどを行き来して「足は大丈夫?」などと話しかけファンとふれ合う。健康センター支配人の熊切浩二さん(48)は「たくさんの歌手が営業で歌いに来るが、控室から出ず、歌い終えたらすぐに帰る人も多い。ファンとの距離の近さが純烈の人気の秘訣(ひけつ)ではないか。ずっと見てきたので紅白は本当にうれしい」と話す。

 純烈は、「スーパー戦隊」シリーズなどに出ていた酒井一圭(かずよし)さん(43)が、ケガで入院中にムード歌謡グループ「内山田洋とクールファイブ」の夢を何度も見たのを機に2007年、俳優仲間らに声をかけて結成した。歌の経験はなく、「カエルの合唱」から練習を始めた。なかなかヒット曲に恵まれず、当時のレコード会社との契約も打ち切りに。12年にスーパー銭湯や健康ランドで歌い始めたことが転機になった。「スーパー銭湯アイドル」との異名がつき、テレビ出演やホールでの公演も増えたが、今でも年間300ステージのうち、3分の1は銭湯などが会場だ。

 グループのキャッチコピーはデビュー時から「夢は紅白、親孝行」だった。酒井さんは、「僕たちは日本一、地道だったと思う。それにみんなが共感してくれて、紅白に届いた」と話す。出場が決まった後、最年少メンバーの後上(ごがみ)翔太さん(32)が営業先で風呂に入っていると、「男湯でおじさんが裸のまま泣きながら握手を求めてきた」という。紅白の後もスーパー銭湯回りは続けるつもりだ。(鈴木友里子

■紅白は「回顧」から「知る機会…

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