カイシャで生きる 第14話

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 会社の成長を応援してきた元銀行員。いまは幼稚園で子どもの成長を応援している。「社会のために」を仕事の物差しにして。

組織の歯車として一日一日を懸命に生きる。ときに理不尽な人事や処遇に苦しんだり、組織との決別、新しい人生を考えたり。様々な境遇や葛藤を経験しつつ前に進もうとする人々の物語を紡ぎます。

     ◇

 〈♪しろやぎさんから おてがみ ついた/くろやぎさんたら よまずに たべた〉

 私立瀬戸幼稚園(愛知県瀬戸市)の園長、和佐田(旧姓・山下)強さん(54)は昨秋、農業体験から帰るバスの中で、楽しそうに園児たちが童謡「やぎさんゆうびん」(まど・みちお作詞、團伊玖磨作曲)を歌う様子を見て、ふと、UFJ銀行(現三菱UFJ銀行)で働いていたときのことを思い出した。

 2004年1月、金融庁がUFJ銀行に実施した金融検査で、正式な資料よりも財務内容の悪い別の資料が見つかったことを伝える報道が相次いだ。

 内部告発が発端となって金融庁のチームが隠されていた資料を見つけると、対応した行員が一部を破り捨てたという。

 「思いあまって資料を食べてしまった行員がいたらしい」。そんなうわさが行内を流れた。東海銀行出身の和佐田さんは当時、名古屋本店で広報部次長をしていた。「なぜ、こんなことになったのか」

 童謡をきっかけに、そのことを思い出した。

実力主義の「野武士集団」と

 問題は検査忌避事件に発展し、主導した三和銀行出身の元幹部たちが銀行法違反で起訴され、有罪判決が下った。不良債権の処理額が膨らんだUFJ銀は、東京三菱銀行と合併した。

 02年1月に三和と東海が合併して誕生したUFJ銀行。合併当初から社風の違いなどを理由に先行きが懸念されていた。

 実力主義を掲げ、「野武士集団…

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