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カイシャで生きる 第20話

 新入社員のとき、仕事に行き詰まり、気づいた。自分には「何かを成し遂げたい」という強い衝動はあっても、実はやりたいことは何もないことを。15年のカイシャ人生を経て、「本当にやりたいこと」にたどり着いた。

組織の歯車として一日一日を懸命に生きる。ときに理不尽な人事や処遇に苦しんだり、組織との決別、新しい人生を考えたり。様々な境遇や葛藤を経験しつつ前に進もうとする人々の物語を紡ぎます。

     ◇

 情報誌の編集をやりたいと思っていたのに、配属されたのは営業だった。

 千葉商科大専任講師の常見陽平さん(44)は大学卒業後の1997年、リクルートに入社した。ファクスを使って新製品情報などを一斉送信するサービスを企業に売り込む部署に配属された。

 全く希望していない部署だった。配属先の希望を聞かれた面談では「何かをつくり出したい」「仕事を通して、社会を変えたい」と人事担当者に訴えた。

 常見さんは一対一で人と話したり、じっくりと相手の話を聞いたりすることが苦手だった。営業に向いているとは思えない。思うにまかせない組織の人事に、落ち込んだ。

 リクルートに入社したのは実力主義の社風と聞いていたし、「面白い人が多い」と思ったからだ。

 「うちの会社をどう思う?」と聞く役員に「うさんくさいと思いました」「起業したいので3年で辞めます」などと答えたが、内定が出た。「本当に生意気な学生でした」と常見さん。

 働いてみて、「実力」の意味がわかった。それは「サービスを売った数字によって人材評価が決まる」というシンプルな価値観だった。

 今振り返ると、当時の営業の仕…

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