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 日中戦争時に起きた旧日本軍による南京事件から81年となった13日、中国江蘇省南京市の「南京大虐殺記念館」で追悼式典が開かれた。昨年は習近平(シーチンピン)国家主席が出席したが、今年は習氏をはじめ最高指導部の党政治局常務委員の7人は参加しなかった。日中関係が改善するなか、日本への配慮がにじむ式典となった。

 式典には、全国人民代表大会(全人代)の王晨・常務委員会副委員長が出席。「81年前のこの日、日本の侵略行為によって30万人の同胞が塗炭の苦しみを味わった。人類が永遠に忘れることのできない暗黒の記憶だ」と述べた。一方で、今年は日中平和友好条約締結40周年にあたるとし、「この40年間、中日友好のために両国の多くの人たちが努力してきた。隣国として、共に世界平和に貢献することが大切だ」と、両国関係の重要さも強調した。

 日中関係をめぐっては、今年10月、安倍晋三首相が日本の首相として7年ぶりに単独で訪中し、習氏と北京で会談。習氏は、両国関係が「正常な軌道」に戻りつつあると確認した。

 南京市では式典に合わせ、市民に1分間の黙禱(もくとう)をこの日に義務づける条例を施行。条例では、南京事件を否定したり、記念館周辺で旧日本軍を連想させるような軍服を着て写真を撮ったりする行為の禁止も盛り込んだ。(南京=宮嶋加菜子)

香港では抗議デモ

 香港では13日、尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権を主張する民間団体「保釣行動委員会」が、南京事件に抗議するデモを日本総領事館が入るビルの前で行った。参加した約15人のメンバーは「南京大虐殺を忘れるな」などと訴えた。

 同委員会の他のメンバーの男女2人は12日、東京の靖国神社の敷地内に正当な理由なく立ち入ったとして、建造物侵入容疑で現行犯逮捕された。同委員会が公表した動画によると、2人は神社の敷地内で東条英機元首相の名前が書かれた紙を燃やし、「打倒軍国主義」と叫ぶなどした。(深圳=益満雄一郎)