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 日産自動車は13日、ブレーキやハンドルなどにかかわる出荷前の完成車検査で不正があり、安全性能を満たさない可能性があるとして、乗用車「ノート」「マーチ」など11車種、計14万8780台のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。追浜(おっぱま)工場(神奈川県横須賀市)などで昨年11月7日~今年10月25日に製造した車が対象。昨秋から続く検査不正によるリコールは4度目で、対象は計約130万台に上る。

 日産は今月7日の記者会見で、9月末にスバルでブレーキなど安全性能にかかわる検査不正が発覚したのを受けて社内で調べた結果、不正が判明したと説明していた。一部の検査員の証言から、ブレーキやハンドル、速度計など6項目で不正な検査を行い、社内基準を満たしたと装っていた疑いを把握したという。

 後輪ブレーキの検査でブレーキペダルだけを踏むべきなのに、ハンドブレーキも引いて制動力をかさ上げした▽ハンドブレーキの検査でブレーキペダルも踏んだ▽ハンドル検査で、ハンドルを切った時のタイヤの角度が社内基準を満たさない場合にハンドルを調整して基準を満たした▽速度計の検査で、時速40キロを一定時間保ったまま測定すべきなのに、40キロに達した瞬間に測定を終えた――などの不正が判明したという。

 日産は9月26日に排ガス・燃費データの不正に関する調査報告書を提出し、「膿(うみ)は出し切った」と宣言したが、その後も不正発覚が止まらない。新たに見つかった不正はスバルで発覚した内容と酷似しており、日産の自浄能力に疑問を抱かせる事態となっている。

 日産は、出荷前のすべての車が対象の「全数検査」の後に、100台に1台程度の割合で調べる「抜き取り検査」での不正は見つかっていないため、直ちに安全性に問題はないとしている。だが、全数検査での安全性の確認が不十分で、道路運送車両法の保安基準を満たしていない恐れがあるとしてリコールを届け出た。今回のリコールにかかる費用は公表しなかった。

 リコール対象は、ノート▽リーフ▽ジューク▽シルフィ▽キューブ▽マーチ▽アトラス▽シビリアンと、いすゞ自動車にOEM(相手先ブランドによる生産)供給しているエルフ▽ジャーニー、三菱ふそうトラック・バスにOEM供給しているキャンターの11車種。(高橋克典)