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 在宅で子育てしながらお仕事――。そんな働き方を実践するのがITを駆使するママさん集団「ママグロースハッカーズ」だ。統括役の高橋愛子さん(44)はチームで活動することで、子育ての忙しさに応じて仕事を分担する仕組みは今後も広がっていくとみる。

 ――職業は「グロースハッカー」です。

 「企業の成長(グロース)という課題を、技術を使って解決する人(ハッカー)という意味です。企業のホームページ(HP)などでボタン位置や配色といったデザイン、キャッチコピーを提案してアクセスや注文の増加につなげます」

 「企業のHPが当たり前になった今、その効果を高めたいというニーズが増えています。グロースハッカーはwebなど専門知識と技術は必要ですが、パソコン一つでできます」

全員が個人事業主

 ――「ママグロースハッカーズ」は2016年2月に発足しました。

 「webデザイナーなどを養成する福岡市内の学校で、15年秋にママ向け講座が開かれたんです。講座の実践として引き受けた福岡市農林水産局のページは私たちの改善でアクセス数が11倍に増えました」

 「みんな個人事業主として参加しています。企業から依頼された仕事やその報酬の采配は、私がとりまとめ役を担っています」

 ――今のメンバーはどういう人たちですか?

 「福岡や熊本から兵庫、青森、岩手にいる20~40代の約20人が参加しています。同じ講座を受けた人が中心で、全員子育て中のママさん。看護師や金融機関など幅広い経験を持つ人が集まっています」

 ――「ママ目線」が売りですね。

 「18年に改装をてがけた福岡大スポーツ科学部のHPでは『自分の子どもが選ぶとしたら大学の何を見たいか』とメンバーで話し合い、その学部の特徴を目立たせた作りにしました。福岡市農林水産局のHPでは生産者の顔が見えることが大事だという思いを形にしました。配色や写真の使い方などに子育て経験が生きていればいいなと思って仕事に向き合っています」

 「18年には絵本『はらぺこあおむし』の50周年記念サイトの立ち上げに関わりました。原作者エリック・カール氏の公式サイトのリニューアルもてがけ、近くお目見えする予定です」

在宅でテレビ会議

 ――新しい働き方、というのも強みですね。

 「基本的に在宅勤務。ママグロースハッカーズというチームにしていることが大きく、1人で背負う負担も少ないです。それぞれの忙しさによって仕事の調整をすることができ、子育ての合間の時間を上手に活用できています」

 「複数人が関わるプロジェクトではweb上のテレビ会議を使います。このテレビ会議では、『飲み会』をすることもあります」

 ――収入は?

 「例えば、一つのページを変更するとして提案1種類につき約1万5千円。10種類欲しいとなれば約15万円です。仕事量によりますが、収入が1人月30万円を超えることもあります」

 ――ご自身も専業主婦から転身しました。

 「2人の子どもを育てています。上の女の子が小学1年になるタイミングで、最初はフォトスタジオ勤務を始めました。でも、人手が求められたのは週末や夕方。夫に子どもを頼んで出勤することも多くて家族で過ごせる時間がなくなり、1年半ほどでやめました」

 ――こうした働き方は広がりますか?

 「インターネットの発達で『グロースハッカー』という新しい仕事が生まれました。子育てを楽しみながら働く実感が得られる仕事だと思います。ITスキルを活用すれば、ママであっても働く環境はもっと作っていけると思います」(聞き手・田幸香純)

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 たかはし・あいこ 1974年生まれ、大分県臼杵市出身。広島大文学部卒。営業職や企業広報などを経験して2002年に結婚。専業主婦時代にはSNS上で「ママさんカメラ部」を立ち上げ、最大13拠点約650人が参加する組織に育てた。