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【まとめて読む】患者を生きる・食べる「メタボ」

 東京・永田町に本社があるレアメタル専門商社の社長、中村繁夫(なかむらしげお)さん(71)は様々な工業製品に欠かせない希少金属の取引をしています。営業のための宴席や海外出張を重ね、不摂生な生活を続けているうちに体はすっかりメタボリックシンドロームになりました。糖尿病になり、食生活の改善を指示されましたが、思わぬ行動に出ます。

 東京・永田町に本社があるレアメタル専門商社「アドバンストマテリアルジャパン」の社長、中村繁夫さん(71)は2011年夏、社員旅行で南太平洋のリゾートホテルに泊まっていた。その晩、妻直子(なおこ)さん(69)が驚いた。「あなた、息をしていないわよ」

 直子さんとはいつからか寝室は別だった。「だって、いびきがひどいのよ」。ところが、久しぶりにホテルで横に寝た中村さんのいびきは何度もやみ、長いときは1分以上も呼吸が止まっていた。

 不調は自覚していた。「やたらと肩がこり、のどが渇いた。疲れが抜けなかった」。希少資源のレアメタルは工業製品に欠かせない原料だが、このころは中国の禁輸措置の影響で多忙を極めていた。各国の取引相手と連日のように営業のための宴席を重ねていた。

 直子さんに促され、翌12年3月、千葉県市川市の自宅近くにある化学療法研究所付属病院(現・国際医療福祉大学市川病院)に入院。一晩かけて、睡眠中の脳波や呼吸、血液の酸素飽和度などを調べた。「睡眠時無呼吸症候群」と診断された。

 海外で鉱山に向かうデコボコ道でも、車に揺られながらすぐに寝ていた。同行者に「どこでも眠れるなんて」とうらやましがられたが、実は病気だったのだ。

 担当医は説明した。「メタボです。食生活を見直しましょう」

 メタボとは、メタボリックシンドロームのこと。内臓脂肪が多く、糖尿病などの生活習慣病になるリスクが高くなる状態だ。肥満が原因の一つの睡眠時無呼吸症候群とも関連が深い。

 腹囲が男性で85センチ、女性で90センチ以上あり、かつ血圧・血糖・脂質のうち二つ以上が基準値から外れていると、メタボリックシンドロームと診断される。

 このころ、中村さんは身長165センチで体重は85キロ。標準体重の60キロを大きくオーバーしていた。腹囲は100センチを超え、血糖値も高かった。会社の健診でも、判定医が「腹囲と糖代謝検査の異常から、メタボと考えられます。食べ過ぎ飲み過ぎを避けましょう」と注記した。だが中村さんは、食事制限から目をそむけてしまう。

病院抜け出し居酒屋へ

 レアメタル専門商社社長の中村繁夫さん(71)は2012年春、入院検査を受けて睡眠時無呼吸症候群と診断された。長年食べ過ぎや飲み過ぎを重ね、腹囲は100センチを超し、血糖値も高かった。医師から「メタボ(メタボリックシンドローム)です。食生活を見直してください」と言われた。

 しかし、中村さんは生活改善に取り組もうとしなかった。世界各国を回って、レアメタルの取引先を開拓するのが仕事だ。「せっかくの交渉相手から接待されながら、『いいえ私は食べません。飲みません』なんて断れますか」。病気をむしろ自分への勲章のように誇らしく受け止めていた。

 酒も食事も減らさなかったので…

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