【動画】墓じまいなどで役目を終えた墓石を引き取っている「お墓のお墓」=内田光撮影
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 「故陸軍上等兵」から愛犬の碑まで――。1万平方メートルを超える山間の土地にびっしりと並べられた墓石や仏像。ここは墓じまいなどで役目を終えた墓石を引き取っている「お墓のお墓」だ。傍らでは、「おたきあげ」される仏壇が、炎を上げる。

 広島県福山市の宗教法人・不動院では、所有する山林を切り開き「墓石安置所」を作り、平成13(2001)年から受け入れている。数万基にもなる。三島覚道住職(77)が知り合いから「墓石を置くところがない」と相談を受け、困っているなら助けたいと始めた。

 不用になった墓石は通常、寺や石材業者が預かるか、産業廃棄物として破砕処分される。しかし、預かった墓石が増えて困る業者も多い。彼岸の時期に数が増え、一度に500基を持ち込んだ業者もいた。墓石の不法投棄も後を絶たない。少子高齢化が進み、誰も世話しない無縁墓も増えている。

 子への負担を減らしたいと都市部の納骨堂へ引っ越す「改葬」する人も多い。厚生労働省によると、年間の改葬数は平成9(1997)年度に約7万基だったのが、平成29(2017)年度には10万5千基に増えた。対して納骨堂の数は13%上昇している。

 「お墓のお墓ができてしまった時代。先祖があっての自分だということを頭に入れて欲しい。先祖を大切にするということは、自分も大切にしてもらえるということ」と三島住職は話す。(矢木隆晴)